令和7年、日本の米消費量は6ヵ月連続で前年割れという深刻な状況にある。単なる「食の多様化」では語りきれない、複雑な背景があるんだ。
📊 最新データから見る消費量の推移
公益社団法人米穀機構の調査によると、2025年8月の1人1ヵ月あたり精米消費量は4,299gで、前年同月比▲4.6%の減少。家庭内消費は▲2.4%、中食・外食は▲8.7%と、特に外食分野での落ち込みが目立つ。
さらに総務省の家計調査では、米の支出額が前年同月比▲20.0%と、食費全体の▲1.8%を大きく上回る減少率を記録している。
🔍 消費量減少の5つの背景
① 米価の高騰による買い控え
2025年秋の店頭価格は5kgあたり4,275円と、前年より37%以上の上昇。価格弾力性が高まったことで、消費者が米を避ける傾向が強まっている。
② 食の外部化と簡便化
単身世帯や共働き家庭の増加により、炊飯の手間を避ける傾向が強まり、中食・外食が主流に。家庭内炊飯割合は年々低下している。
③ 少子高齢化と摂取量の減少
高齢者層では、健康志向から炭水化物摂取量が減少。昭和41年の平均摂取熱量2,196kcalに対し、令和5年は1,877kcalまで落ち込んでいる。
④ 炭水化物摂取源の変化
米の代わりに麺類やオートミールなどが選ばれる傾向が強まり、炭水化物の摂取源としての米の比率が低下している。
⑤ 消費者心理の変化
「米は高い」「炊くのが面倒」「飽きた」といった心理的要因も、消費量減少に拍車をかけている。特に若年層では、米を主食としないライフスタイルが定着しつつある。
🧭 今後の対策と可能性
農林水産省は、米飯学校給食の推進や米粉・冷凍米飯などの加工品需要拡大を図っている。また、SNSやYouTubeを活用した「米と健康」キャンペーンも展開中。
1. 最新データの補強
- 2025年7月の精米消費量は4108g(前年同月比▲9.1%)と、減少幅がさらに拡大してるよ。
- 家庭内消費は▲10.6%、外食は▲6.0%と、両方で落ち込みが続いてる。
2. 余剰米の問題
- 令和7年の米生産量は最大で48万トンの供給過剰になる見通し。
- 価格が下がるかと思いきや、備蓄制度や物流コストの影響で店頭価格は高止まりしている。
3. 若者のライフスタイル変化
- 若年層では、米の代わりにパン・麺・オートミールなどが選ばれる傾向が強まってる。
- 「炊くのが面倒」「高い」「飽きた」といった心理的要因が、米離れを加速させてる。
4. 政府の対応と課題
- 農水省は「米と健康」キャンペーンや学校給食の米飯推進など、消費拡大策を展開中
石破前首相は在任中、「米の安定供給等実現関係閣僚会議」にて、短期・中長期の対応策の検討を指示していた。

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