1960年に公開されたフランス=イタリア合作映画『太陽がいっぱい(原題:Plein Soleil)』は、アラン・ドロンの出世作として知られています。原作はパトリシア・ハイスミスの小説『リプリー』。監督はルネ・クレマン、音楽はあのニーノ・ロータ。美しい地中海の風景と、緊張感あふれるサスペンスが融合した名作です。
あらすじ(ネタバレなし)
貧しい青年トム・リプリー(アラン・ドロン)は、裕福な友人フィリップをアメリカに連れ戻すという依頼を受けてイタリアへ。しかし、次第にフィリップの生活に魅了され、やがて彼の人生を奪おうとする――。
見どころ①:アラン・ドロンの“危うい美しさ”
本作の最大の魅力は、なんといっても若きアラン・ドロンの美貌と妖しさ。彼の演じるトムは、どこか影がありながらも魅力的で、観る者を惹きつけてやみません。鏡の前でフィリップの真似をするシーンは、彼の狂気と憧れが交錯する名場面です。
見どころ②:地中海の光と影──ロケ地の魅力
撮影はナポリ、イスキア島、プローチダ島などで行われ、太陽が降り注ぐ海辺の風景が印象的。まさに「太陽がいっぱい」というタイトルにふさわしい、光と影のコントラストが物語を引き立てます。
見どころ③:ニーノ・ロータの音楽が物語に深みを
『ゴッドファーザー』でも知られるニーノ・ロータの音楽が、本作の緊張感と哀愁を見事に演出。甘美でありながら不穏な旋律が、トムの心の闇を映し出します。
リプリーとの違いは?──1999年版との比較
1999年にマット・デイモン主演でリメイクされた『リプリー』と比べると、オリジナル版はより詩的で、映像美と心理描写に重きが置かれています。後半の展開も異なり、結末の余韻は本作ならではのものです。
まとめ:太陽の下に潜む影──“青春”と“野望”の物語
『太陽がいっぱい』は、ただのサスペンスではありません。若さゆえの野望、羨望、そして破滅への道を描いた、ある意味で“青春映画”とも言える作品です。太陽の光が眩しいほど、影は濃くなる――そんな皮肉と美しさが詰まった一本です。

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