🌌 幽霊粒子を追って──ハイパーカミオカンデ地下空洞と科学者たちの挑戦

2025年7月31日、岐阜県飛騨市の地下600mに建設中のハイパーカミオカンデ本体空洞の掘削が完了した!その空洞、なんと直径69m・高さ94mという超巨大サイズで、岩盤内の人工空洞としては世界最大級。

この観測装置は、スーパーカミオカンデの約8倍の有効体積を持ち、26万トンの超純水2万個以上の高感度光センサーを備える予定。2028年の観測開始を目指していて、ニュートリノのCP対称性の破れ陽子崩壊の探索など、宇宙の根源的な謎に挑む。

ちなみに、茨城県東海村では中間検出器の建設も進行中で、ニュートリノビームの増強と合わせて、観測精度の向上を狙ってる。

地下600メートル、岩盤の奥に広がる“知の聖域”

岐阜県飛騨市神岡町。この静かな山間の地下600メートルに、直径69メートル・高さ94メートルの巨大な円筒空間が完成した。ここに設置されるのが、次世代ニュートリノ観測装置「ハイパーカミオカンデ」──人類が宇宙の起源に迫るための壮大な実験が、いま始まろうとしている。

この空洞は、ただの岩盤を削った空間ではない。30年以上の構想と、世界中の科学者たちの夢が詰まった“地下神殿”だ。

空洞完成見学会──地球の奥で宇宙を感じる

2025年6月29日、空洞掘削完了を記念して行われた一般公開には、全国から600名以上が参加。神岡町公民館での映像紹介の後、シャトルバスで地下へと。

バスは全長1800メートルのアクセストンネルを進み、空洞の底部へ。蒸し暑かった外とは打って変わって、長袖でも肌寒く感じるひんやりとした空間が広がっていた。壁には無数のアンカーが刺さり、外部からの圧力に耐える構造がむき出しになっている。

「この空間に、幽霊粒子を捉える装置が設置されるんです」 案内役の研究者がそう語ると、参加者の間に静かなざわめきが走った。

地下神殿への扉は重い──ハイパーカミオカンデ見学会、落選の記

ハイパーカミオカンデ──幽霊粒子を追う壮大な地下実験施設。その空洞完成見学会に、ぼくは心を躍らせて抽選に申し込見ました。当選者は限られた人数。期待と不安が入り混じりました🫀

結果は…落選。

でも、諦めませんでした。スマホを片手に仕事中も目を離さず、キャンセルが出るのを待ち続けた。通知が来た瞬間、指が勝手に動いた。申し込み画面へ、即アクセス。間に合った…はずだった。

しかし、画面には「満席」の文字。

その瞬間、地下600メートルの空洞が、ぼくの心の中でさらに遠く感じた。あの空間に立ち、岩盤の冷気を肌で感じ、幽霊粒子の物語に触れたかった。科学の最前線に、ほんの一瞬でも立ち会いたかった。

もうあれしかない『運転手さんそのバスに僕も乗っけてくれないか』とシャトルバスが出発する前に問いかける😎・・・そう思いました

2028年の観測開始、その先にある発見の瞬間を、今度こそ現地で見届けたい。これが日々の原動力になっています。

落選した人に送ってくれているみたい。ありがとうございます🤩いずれ寄付金も頑張ります!

神岡の地下には、もうひとつの“宇宙の耳”がある──KAGRAとの共鳴

ハイパーカミオカンデがニュートリノを捉えるのに対し、KAGRA(カグラ)は“重力波”を観測するための巨大望遠鏡。 同じ神岡鉱山の地下約200メートルに設置され、3キロメートルのレーザー干渉計を使って、時空のさざ波を捉えようとしている。

重力波は、アインシュタインが予言した「時空のゆらぎ」。KAGRAはその微細な変化を捉えるため、鏡をマイナス250度まで冷却し、地面の振動を避けるために地下に設置されている。

2020年から国際共同観測に参加し、アメリカのLIGOやヨーロッパのVirgoと連携して、宇宙の“音”を聴く新たな天文学の扉を開いている。

神岡の地下には、ニュートリノと重力波──ふたつの“見えないもの”を追う壮大な実験が同時に息づいている。
私も、こんな素敵な仕事をしたかったと思わずにはいられません。けど今の環境、状況の中でも新しい発見はできると信じて日々を営んでいます🥲

現場の声──科学者たちの誇りと覚悟

東大宇宙線研究所の塩澤真人教授は、報道陣の前でこう語った:

「このような大空洞が本当に作れるのか──それが最大の山でした。30年近い検討の末、ついに完成した今、ほっとしています。」

掘削中には追加補強工事が必要となり、工期が半年延びた。だが、教授は「安全第一で進めた結果」と語る。

「われわれがやるべきことは装置を完成させること。陽子崩壊を発見できるかどうかは自然が知っていることで、われわれは結果を見るだけです。」

この言葉には、科学者としての謙虚さと、自然への畏敬が込められていた。

ハイパーカミオカンデとは?──幽霊粒子を追う装置

ハイパーカミオカンデは、東京大学と高エネルギー加速器研究機構(KEK)を中心に、世界22か国・約600名の研究者が参加する国際共同プロジェクト。

スーパーカミオカンデの約8倍の観測能力を持ち、以下のような壮大なテーマに挑む

  • ニュートリノ振動と質量階層性の解明
  • 宇宙における物質と反物質の非対称性(CP対称性の破れ)
  • 陽子崩壊の探索による統一理論の検証
  • 超新星爆発やブラックホール形成のリアルタイム観測

ニュートリノは、ほとんどの物質を通り抜ける「幽霊粒子」とも呼ばれる。これを捉えるため、空洞には26万トンの超純水が満たされ、約4万本の光センサーが設置される予定。

セルンとの連携──国境を越えた科学の協奏

欧州の素粒子研究機関「セルン(CERN)」との連携も、ハイパーカミオカンデの重要な柱。セルンのLHC(大型ハドロン衝突型加速器)で得られるデータと、ハイパーカミオカンデの観測結果を比較することで、素粒子物理学の統一理論に迫る。

国際協力の中には、フランスIN2P3やカナダTRIUMFなども含まれ、装置の一部は海外で製造されている。まさに、地球規模の知の結晶だ。

ミステリアスな一面──“見えないもの”を見ようとする科学

ハイパーカミオカンデが観測するのは、目に見えないニュートリノ。だが、研究者たちはそれだけではない“何か”を見ようとしている。

陽子崩壊──それは、まだ誰も見たことのない現象。もし発見されれば、宇宙の成り立ちを根底から覆す可能性がある。

「ニュートリノの振る舞いが、宇宙の物質の偏りを生んだ可能性がある。つまり、われわれが存在する理由そのものに関わっているかもしれない。」

この言葉は、科学が単なる知識の探求ではなく、存在の意味を問う営みであることを示している。

未来への扉──2028年、観測開始へ

空洞は今後、ステンレス製の巨大タンクに変貌し、超純水と光センサーが設置される。観測開始は2028年予定。スーパーカミオカンデの100年分のデータを、わずか10年で取得できるとされている。

そしてその先には、ノーベル賞級の発見が待っているかもしれない。

結び──科学は、見えないものを信じる力

ハイパーカミオカンデは、地球の奥深くから宇宙の始まりを見つめる、人類の知的冒険の象徴だ。幽霊粒子を追い、陽子崩壊を探し、宇宙の真理に迫る──それは、見えないものを信じる力の物語でもある。

この地下神殿から、宇宙の秘密が明かされる日を、私たちは静かに待っている。

現地で感じた“圧倒的な迫力”──参加者の声

2025年6月29日の一般公開には、全国から約600名が参加。 その中には、見学後にこう語った人もいる

「圧倒的な迫力を見れて、いい体験ができました」

また、東京大学の藤井輝夫総長は式典でこう述べている

「この地で行われる基礎科学の営みが、次世代を担う子供たちに明るい未来を示すことにつながればと考えています」

この空洞は、ただの岩盤ではない。科学者たちの夢と、訪れた人々の感動が詰まった“知の聖域”

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