H3ロケット2号機、再びの試練:打ち上げ直後に異常発生、指令破壊でミッション中止

次世代国産ロケットの信頼回復に向け、JAXAは原因究明へ

2025年12月22日午前10時37分、日本の次世代主力ロケット「H3」2号機が鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた。しかし、打ち上げから約5分後に異常が発生し、ロケットは指令破壊。搭載されていた地球観測衛星「だいち4号(ALOS-4)」は失われた

だいち4号:災害監視と安全保障を担う次世代衛星

H3 2号機に搭載されていた「だいち4号」は、JAXAが開発した高性能なLバンド合成開口レーダー(PALSAR-3)を搭載した地球観測衛星。全天候・昼夜を問わず地表の変化を高精度で観測できる能力を持ち、災害時の被害把握や森林資源のモニタリング、さらには海上監視など安全保障分野でも活用が期待されていた。

特に、前機「だいち2号」の後継として、観測頻度と解像度の向上が図られており、国内外の研究機関や防災機関からの注目も高かった

異常発生の経緯:第2段エンジンが点火せず

JAXAの発表によると、打ち上げは順調に進行していたが、上昇から約5分後、第2段エンジンの点火が確認できなかった。これによりロケットは予定軌道に到達できず、地上からの指令により安全確保のため破壊措置が取られた。搭載されていた地球観測衛星「だいち4号(ALOS-4)」は失われた。

初号機の失敗からの再挑戦

H3ロケットは、2023年3月に打ち上げられた初号機でも第2段エンジンの点火に失敗し、同様に指令破壊されている。今回の2号機は、設計の見直しと再試験を経ての再挑戦だった。JAXAは「初号機の失敗原因は解明され、対策を講じた」としていたが、再び同様の段階で異常が発生したことは、根本的な設計やシステムの再検証を迫る事態となった。

🔍 H3ロケット「初号機(2023年)」と「2号機(2025年)」の違いと共通点

項目初号機(2023年3月)2号機(2025年12月)
打ち上げ日2023年3月7日2025年12月22日
ロケット名H3ロケット初号機H3ロケット2号機(再打ち上げ)
搭載衛星だいち3号(ALOS-3)だいち4号(ALOS-4)
結果第2段エンジンが点火せず、指令破壊同様に第2段エンジンが点火せず、指令破壊
目的新型ロケットの初飛行と観測衛星投入信頼回復と次世代観測衛星の投入
特徴初の実戦投入、設計の不具合が露呈設計改修後の再挑戦、延期を経ての打ち上げ

🌧️ 共通点:どちらも第2段エンジンの点火に失敗

両方とも、打ち上げ自体は成功して上昇したけど、第2段エンジンが点火せず、軌道投入に失敗。安全確保のため、地上からの指令でロケットを破壊する措置が取られたんだ。

🔧 違い:設計と背景

2023年の初号機は、まさに「初めての実戦投入」。その失敗を受けて、JAXAと三菱重工はエンジン制御系や電源系の設計を見直し、試験体制も強化した。その成果が2024年の3号機・4号機の成功につながった。

今回の2号機は、もともと2023年に打ち上げ予定だった「本来の2号機」を再設計して、満を持しての再挑戦だったんだ。つまり、形式上は「2号機」だけど、実質的には「再設計された新しい2号機」って感じ。

国際競争の中で問われる信頼性

H3ロケットは、打ち上げコストの大幅な削減と高頻度打ち上げを実現することで、国際的な商業衛星打ち上げ市場への参入を目指していた。SpaceXや欧州のアリアン6、中国の長征ロケットなど、世界の宇宙開発競争が激化する中、日本のプレゼンスを維持・強化するためにも、H3の成功は不可欠とされている。

今回の失敗により、今後の打ち上げスケジュールや国際的な受注活動への影響は避けられない。JAXAは「詳細なデータ解析を進め、早急に原因を特定する」としており、信頼回復に向けた取り組みが急務となる。

技術者たちの挑戦は続く

JAXAの山川宏理事長は記者会見で「関係者の努力にもかかわらず、再び期待に応えられなかったことを深くお詫び申し上げます。原因究明と再発防止に全力を尽くします」と述べた。

宇宙開発は、成功と失敗を繰り返しながら前進する長い旅路だ。H3ロケットの挑戦は、まだ終わっていない。日本の技術者たちは、再び立ち上がり、次なる打ち上げに向けて歩みを進めている。

次世代国産ロケットの信頼回復に向け、JAXAは原因究明へ

2025年12月22日午前10時37分、鹿児島県・種子島宇宙センターから打ち上げられた日本の次世代主力ロケット「H3」2号機が、打ち上げ直後に異常を検知し、ミッションを中止した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と三菱重工業が共同開発するH3ロケットは、老朽化が進むH-IIAの後継として期待されていたが、今回の失敗によりその信頼性に再び疑問符がつく形となった。

延期に次ぐ延期、ようやく迎えた打ち上げ日

H3 2号機の打ち上げは、当初2023年に予定されていた。しかし、同年3月の初号機失敗を受けて、設計の見直しと再試験が行われ、スケジュールは大幅に後ろ倒しに。さらに、2025年に入ってからも、天候不良やシステム点検のために複数回の延期が続き、最終的に12月22日にようやく打ち上げが実現した。

このように、長期にわたる準備と期待を背負っての打ち上げだっただけに、今回の異常によるミッション中止は、関係者にとって大きな痛手となった。

成功の積み重ねと、再燃する不安

2023年の初号機失敗以降、H3ロケットは3号機・4号機で連続成功を収め、信頼性を回復しつつあった。特に4号機では商業衛星の打ち上げに成功し、国際市場への本格参入に向けた足がかりを築いていた。

しかし、今回の2号機で再び第2段エンジンの点火に失敗したことで、技術的な信頼性に再び疑問が生じている。JAXAは「詳細なデータ解析を進め、原因を特定する」としており、今後の打ち上げスケジュールや国際的な評価への影響が懸念される。

宇宙開発の現実と、次なる挑戦

JAXAの山川宏理事長は記者会見で、「再び期待に応えられなかったことを深くお詫び申し上げます。原因究明と再発防止に全力を尽くします」と述べた。

宇宙開発は、成功と失敗を繰り返しながら進化していく。H3ロケットの挑戦もまた、その一環だ。延期を乗り越え、成功を重ねてきた技術者たちの努力は、今回の失敗で止まることはない。次なる打ち上げに向けて、再び静かに準備が始まっている。

調査の最新状況(2025年12月25日時点)

H3ロケット8号機の打ち上げ(2025年12月22日)については、現時点で**「第2段エンジンの異常」が直接的な原因であることは判明していますが、なぜその異常が起きたのかという詳細な根本原因については、JAXAが現在も究明を進めている段階**です。

判明している主な事象

  • 第2段エンジンの停止: 2回目の燃焼が正常に立ち上がらず、予定より早く停止しました。その結果、衛星「みちびき5号機」を目的の軌道に投入できず、失敗となりました。
  • 水素タンクの圧力低下: 打ち上げの途中(第1段の飛行中)から、第2段の液体水素タンクの圧力が徐々に下がっていたことがデータで確認されています。
  • フェアリング(衛星カバー)分離時の衝撃: 衛星を保護するカバーを切り離す際、従来よりも大きな加速度(衝撃)が観測されており、これが一連の異常の「起点」になった可能性があると推測されています。

現在のステータス

  • 機体と衛星の状況: JAXAの評価によると、機体と衛星は打ち上げの約4時間後にはすでに大気圏へ再突入し、燃え尽きたとみられています。
  • 今後の調査: 搭載カメラの映像や、地上に送られてきた詳細なテレメトリデータ(機体データ)をさらに詳しく解析し、なぜタンクの圧力が下がったのか、衝撃がどう影響したのかを特定する作業が続いています。

補足:打ち上げ直前の延期について 当初12月17日に予定されていた打ち上げが直前に止まったのは、「地上側の冷却設備(窒素ガスの弁)」の操作ミスが原因でした。今回の飛行中の失敗とは別問題であるとされています。

今のところ、JAXAは「原因が究明され対策が終わるまで次の打ち上げは困難」という慎重な姿勢を示しています。今後数ヶ月かけて、さらに具体的な部品レベルでの原因が発表される見通しです。

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