はじめに
「なつほのか」は鹿児島県育成の水稲品種で、高温耐性・良食味・多収性を兼ね備えた早生品種。九州各地で導入が進み、令和7年以降の主力品種として注目されています。

品種概要と開発背景
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 品種名 | なつほのか(西南136号) |
| 育成機関 | 鹿児島県農業開発総合センター |
| 系譜 | 西南115号 × 西海250号 |
| 出穂期・成熟期 | 「あさひの夢」並の早生 |
| 特徴 | 高温耐性・良食味・多収性・大粒 |
特性比較|ヒノヒカリ・あさひの夢との違い(長崎県試験データ[3])
| 品種 | 出穂期 | 成熟期 | 千粒重(g) | 精玄米重(kg/a) | いもち病抵抗性 | 倒伏性 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| なつほのか | 8/16 | 9/21 | 25.0 | 62.1 | やや弱 | 少 |
| ヒノヒカリ | 8/22 | 10/3 | 23.6 | 58.7 | 弱 | 少 |
| あさひの夢 | 8/17 | 9/22 | 23.7 | 55.9 | 中 | 微 |
食味評価|ヒノヒカリとの比較(官能試験データ[3])
| 項目 | なつほのか | ヒノヒカリ(基準) |
|---|---|---|
| 外観 | +0.37 | 0 |
| 香り | +0.21 | 0 |
| 味 | +0.15 | 0 |
| 粘り | +0.11 | 0 |
| 硬さ | -0.18 | 0 |
| 総合評価 | +0.04 | 0 |
※7段階評価(-3〜+3)、ヒノヒカリを基準とした相対評価
『なつほのか」作付面積の推移(大分県)
| 年度 | 作付面積(ha) | 備考 |
|---|---|---|
| 令和4年 | 1,152 | 本格導入初年度 |
| 令和5年 | 2,049 | 奨励品種に採用 |
| 令和6年 | 3,015 | さらなる拡大を目指す |
栽培上の注意点
- いもち病にやや弱いため、適期防除が必要
- 多肥栽培では倒伏傾向があるため、窒素過多に注意
- 初期生育で葉が垂れやすく、深水管理は避けるべし
今後の展望
「なつほのか」はヒノヒカリの代替品種として、九州各地で急速に導入が進んでいます。令和7年以降は鹿児島県の主力品種「あきの舞」の母本としても注目され、高温年でも安定した品質と収量が期待できる品種です。
まとめ
「なつほのか」は、高温登熟性・良食味・収量性の三拍子揃った水稲品種。 ヒノヒカリからの転換を検討する農家やJA関係者にとって、今後の選択肢として非常に有望です!

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